色々な研究テーマをつなげるもの
僕たち研究者は,一見すると関係ないような色々なテーマで研究していますが,実はその間にはつながりがあるのです。
先日,立命館での非常勤の講義の後,ホストの吉田先生とランチをしていて上のような話になりました。彼女はマーケティング論,製品開発などが専門なのですが,最近は自分の趣味をきっかけにした着物の消費・流通の調査もしているそうです。僕は僕で,自分の趣味をきっかけにしたアニメツーリズムの研究をしており,お互い趣味をきっかけに専門と違う研究をしちゃってますねー,という話をしていたわけです。
ですが,そこでもう少し議論をしていると,一見関係ないような研究でも根底にはつながっているところがあるんだなぁ,という結論に至りました。
僕の研究領域は,イノベーション・マネジメントです。イノベーションはあるものとあるものの新結合なわけですが,それが革新的なものとなるためには,何らかの不連続性が必要になります。そんなとき,イノベーターは必ず矛盾にぶつかるわけです。その矛盾をどうやって乗り越えるのか,が僕のメインの関心です。
で,最近調査しているガルパン×大洗町の事例ですが,ここにも実はイノベーターがいたのです。詳しくはまたの機会に・・・なのですが,やっぱり新しいことをやるためには難しい壁があり,それを乗り越えた物語があるんです。そういう見方をすれば,ガルパン×大洗町の事例研究も,僕の研究領域に入っているわけです。
研究者ってのは好奇心を燃料にして走っているので,しょうがないところはありますが,あまりにも色々な事象の調査に手を出すと,何をメインにやっているのか,研究者として何が専門なのかわからなくなるというリスクがあります。ですので,何が自分の抱えているテーマをつなげているのか,というのは時々足を止めて考えてみる必要があるんでしょう。そういう意味で,先日のランチはとても貴重な時間でした。
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