科研応募書類の作り方:備忘録
平成26年度の科研費応募が完了しました。
滋賀県立大学には,事前に申し込むと専門のレビュワーが応募書類について様々なアドバイスをしてくれる,という制度があります。3年前にスタート支援に応募した際もこの方にアドバイスをいただいき,おかげで研究費を獲得することができました。
これからも科研費には応募することがあると思うので,2回のレビューを受けてのアドバイスをまとめておきたいと思います。
滋賀県立大学には,事前に申し込むと専門のレビュワーが応募書類について様々なアドバイスをしてくれる,という制度があります。3年前にスタート支援に応募した際もこの方にアドバイスをいただいき,おかげで研究費を獲得することができました。
これからも科研費には応募することがあると思うので,2回のレビューを受けてのアドバイスをまとめておきたいと思います。
1. 審査する側のことを考えて書類を作る
1次審査の審査員は,1人あたり数十件,多い分野だと100件の応募書類を読むそうです。そして,それを5段階評価,しかも正規分布に近くなるように相対評価で採点するよう求められているとのことです。
ですから,まずは見てわかりやすい書類を作ること。見出しをつけたり,図表をいれたりして,それらを見るだけで研究内容を大まかにつかめるようにすることが大事だということです。
2. 審査員がどこを見るかを考える
タイトル,研究目的の要約,応募者の研究履歴,の3つだそうです。ですから,まずはタイトルを,出来るだけ具体的に,何をするのかがわかるように書くことが大切です。例えば「曖昧さへの耐性とイノベーション」ではなく,「曖昧さへの耐性がイノベーション行動に与える影響の研究」といった書き方の方が好ましいということです。
また研究目的の要約は1ページ目の冒頭に書きますが,やはりここは必ず見るそうです。そして,誰が応募しているのかもみられるということ。ですから,実績のある人ほど,研究しやすくなるという正の循環があるのです。
また研究目的の要約は1ページ目の冒頭に書きますが,やはりここは必ず見るそうです。そして,誰が応募しているのかもみられるということ。ですから,実績のある人ほど,研究しやすくなるという正の循環があるのです。
3. しっかり読んでもらうことを期待しない
上に書いたように,審査員はたくさんの書類を読みます。ですから,まずは上の3点を見て,応募書類を大まかな評価で分類するそうです。そのあと,書類を読みますが,それでもなかなか時間が取れない。ですから「読めばわかる」を期待してはいけないそうです。
一番良いのは,タイトルと研究目的の要約を呼んで「面白そうだな」と思い,そのまま一気に応募書類をワクワクしながら読む,というパターンです。が,なかなかそんな風にはかけないので,せめて話の「流れ」を重視した書類にする,審査員が疑問に思いそうな言葉の定義などは最初の方にリスト化しておいて理解を助ける,箇条書きにするといった工夫が必要です。
例えば,研究目的で3つの課題を設定したら,研究の方法においてもそれを踏襲し,3つの課題ごとにどのように研究を行うかを記述します。これをバラバラにすると,一度目的に戻って見直さなければいけなくなります。これだけで,心証が悪くなります。
4. 予算組みは誠実に
予算はできるだけ具体的に。ソフトウェアとかを買うのならそのタイトルまで,学会に行く旅費を計上するのなら何の学会か,そういうところまで書くべきだそうです。
予算の妥当性が評価されるわけですから,きちんと考えて組み立てていることをアピールすべき,ということですね。
予算の妥当性が評価されるわけですから,きちんと考えて組み立てていることをアピールすべき,ということですね。
以上,自分のための備忘録でした。これで確実に科研費を獲得できるというわけではないですし,審査員によってはもっとちゃんと読み込むよ,という方もいらっしゃるとは思います。ですが,わかりやすい書類を作る,というのがとても大切なことだというのは間違いないでしょう。
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