ジェンダー・バイアスについて考えたこと

うちの奥さんからLINEで送られてきた写真が面白かった。

1つめは,マツダのディーラーのトイレ。まだうちの子が小さかった頃,定期点検に子どもを僕ひとりで連れて行くことがよくありました。で,おむつ交換しようと思ったら,男子トイレにおむつ交換台がありません。そのときは,お店の人に断ってから女子トイレに入らせてもらって,おむつを換えました。その話は奥さんにもしていたのですが,それからしばらくたって彼女がディーラーに行ったところ,このような張り紙があったとのことです。

トイレを設計した当時は,男性がおむつ交換するようなことは想定されてなかったのでしょう。スペースや壁の強度などの都合で,男子トイレにおむつ交換台を設置するのは難しいのだと思います。ですが,マツダのディーラーさんは,男性もおむつ交換をするんだということをきちんと把握されて,その対応をしてくれました。

もうひとつは,何かのカタログかな?これに目くじらたてるのはちょっとやりすぎですが,この何気ない紙面にも,ジェンダー・バイアスが潜んでいます。「お掃除苦手なパパも溺愛!」というコピーがそれですね。そこまで気にする必要はないのかもしれませんが,このコピーの裏には「家事をしない夫」という思い込み,「ルンバがやってくれるからパパは掃除しなくてもOK」という思い込み,あるいは「夫は家事などせず外で稼いでルンバを買え」という思い込みまで見えます。

どちらも男女の性別役割分業にかかわることなのですが,前者はその思い込みを破った例,後者は思い込みに気づいていない例だと思います。思い込みなので,それに気づくのは難しいのですが,不可能ではないわけです。そして,そこにはイノベーションの種が眠っているかもしれません。

Miyao Lab.

神戸大学大学院経営学研究科の宮尾研究室です。 イノベーションのマネジメントに関わる様々なことを研究しています。 Miyao Lab. at Graduate School of Business Administration Kobe University is exploring management of innovation.

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